「ブラバン」
しみじみとしていい小説であったことは確か。
だけれど、たぶん、青春時代に吹奏楽やバンドを体験しジャズやロックに浸っていた人に比べて、その思いは半分どころか1割にも満たなかったのではと思った。まあ要するにピンと来なかった。
小説に描かれているさまざまな情景は、読んでいる人の青春の記憶を掘り起こし、小説の世界を広げる効果があったはずなんだが、その「記憶」が無いってのは致命的。
娘が吹奏楽部に入っていて、各種楽器の知識とか部活の活動(コンクールとか定期演奏会とか)に多少なりとも触れたことのある今読んでいるから最後まで読めたけど、そうじゃなかったら途中で読むのをやめていたかもしれない。
ジャズの名曲と呼ばれているタイトルが出てきても、脳内再生されないってのは、なんかこうじれったかったよ。
マンガ研究会のメンバーが15年たって再会して再び同人誌を作ろうとなる、という小説があったら泣けるかな。ううむ。それはちょっと(いやかなり)違う気がするな(^_^;)
音楽の記憶は感情の記憶に直結しやすいと思うけど、「マンガ」って理性をすっとばして感情に結びつく、というわけにはいかないと。
ただふと、大学時代の漫画研究会の面々を思い浮かべたら、再会して何かするというお話ができそうな気もしてきた。うん。
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