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2010年10月11日 (月)

「君に届け」(実写映画版)その2

「君に届け」の原作コミックを読み返した。
映画版が、いかに登場人物(キャラクター)を薄っぺらくしてしまったのかがわかった。この作品の肝は、深い感情移入をもたらす丁寧な心理描写にある。だから何度も(登場人物に同化して)泣けたんだよね。その丁寧な部分をはしょってしまったら、何も残らん。

一緒に行った娘と話した。「ラストあれはない、ひどい」「残すべき大事なセリフがなくなってる」「ラストに続くオリジナルのエピソードがわざとらしい」「色の無いコミックの方が鮮やかで素敵なイメージがあった」「爽子とあやねとくるみがいまひとつ」と意見が一致。
コミックに無いセリフやエピソードはすべて失敗だったんじゃないか、な。

映像と演出のダメダメさは、肝試しのシーンで顕著。男子がぎゃーと飛び退いた後に白装束の爽子がなんの工夫もなくぴょんぴょん登場するんだもんな。「貞子」の「怖さ」、爽子が感じていただろう夜の闇と空気と風の心地よさが、ほとんど出てなかった。風早が恋愛感情を認識する大事なシーンなのに。まあこれは個人差あるかもしれないけど。

できれば別の同年代の俳優で、丁寧に制作されたドラマ版が見てみたいなとも思った。

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