「草加市未来まちづくり市民会議」を見学してきた
市の施策には市民が参加している
2月8日に高砂コミュニティセンターで午後2時から5時まで開催された、「草加市未来まちづくり市民会議」を見学してきた。
どんな会議なのか。
一言でまとめると、まちづくりにかかわる市の施策について、市民の意見を取り入れるための会議。
最新の「広報そうか」に告知文があるので、こちらを引用する。
市では将来のまちづくりの方向性や取り組みを示す「(仮)第四次草加市総合振興計画」及び「草加市都市計画マスタープラン」の策定・改訂を進めています。計画の具体的な内容について市民の皆さんから意見をいただくため、「草加市未来まちづくり市民会議」の参加者を募集します。
この文章に登場する「総合振興計画」というのは、将来の草加市をどのようなまちにしていくかを示す「まちづくりの指針」となるものだ。
こちらも市の公式ページに、『目指す都市像とまちづくりの目標などを記した構想(「基本構想」)と、その実現のための「基本計画」、「実施計画」を総称したもの』と説明がある。
基本構想が15年、基本計画が各5年、実施計画が各3年というピラミッドが描かれている。
基本構想と基本計画は、議会の議決で定められる。
「第三次草加市総合振興計画」は今年を目標年としたもので、すでに各種施策を推進中ということになる。このときの基本構想は、草加市の将来都市像を「快適都市」とするもの。
また、「草加市都市計画マスタープラン」は、正式名称が「市町村の都市計画に関する基本的な方針」。市民参加によってまちづくりの将来像や方針を定めることが、都市計画法の規定に定められている(第18条の2)という。
これらについては、「草加市未来まちづくり市民会議」のページにある、各会議の資料などに説明がある。
今年度の第1回草加市未来まちづくり市民会議の説明資料がとってもわかりやすい。
さて、この形で直接市民から話を聞くのは、今年度で3回目(24年度、25年度、そして今年)とのこと。
去年度は無作為抽出した市民+公募に応募してくれた市民で構成されていたが、今年は公募のみ。ただ、多くの方が去年から参加されているそうだ。
去年度は、第四次総合振興計画と都市計画マスタープランの基本的な部分を検討し、まとめるための会議、そして今年度は、まとめられたさまざまな施策について、改善・改訂するための会議だ(と理解した)。
去年度の会議には「元気放送局」さんが実際に参加・取材し、その様子を動画に残しているのでこちらをどうぞ。
さて、ようやく今回の話。
私が見学したのは、今年度の3回目。いわば今年度のまとめの会ともいえる。
たたき台として提供された冊子のタイトルは、「(仮)第四次草加市総合進行計画・第一期基本計画の施策の方向性(案)」。
32の施策について、その概要と「施策の体系(施策の名前と具体的取り組み)」「施策の意図」「協働のイメージ(それぞれの役割)」が書かれている。
今回のテーマはこの「協働のイメージ」にある項目。
施策を実現するには「市民」「地域」「事業者」「行政」それぞれが個別の役割を担うことが必要、ということで、その項目を検討する。
たとえば 1)水とみどりのまちづくり/施策1 水環境の保全、では、【協働のイメージ/市民の役割】のところに「食用油や化学薬品等を流しに流さない」という具体的なことが書かれている。
この言葉が適切かどうか、他に付け加えることは無いか、各ジャンルごとに意見を言い合ってまとめていくのだ。
32の施策を4つのグループにわけ※、それぞれ数名の市民と、司会・書記を務める市の職員2名で構成されたメンバーで話し合いをした。
私はしばらくグループ4「子育て・教育、人権、生涯学習、文化、スポーツ、消費者」のところで話を聞いていた。
一番印象に残ったのは、ここに書かれている文章の表現をちゃんと考えなくてはならない、それが重要だ、という言葉。この場でまとめられた文章は、市議会に提出され、審議される。ちょっとした語句の違いが、具体的な施策に響いていく。。
条例や規約などは、確かに「ことば・文章」が重要だ。だれが読んでも同じようにとらえる文章でないといけないということだ。ふむ。

※模造紙に、総合政策課でまとめた項目と、追加・修正意見が書かれた紙を貼っていく

※最期に発表の時間がある
草加市の人口は増える?減る?
この会は、草加市役所 総合政策部 総合政策課※が主催している。
課長である芝田さんに少しお話をうかがうことができた。
市民が行政にかかわることが、こういった形で可能であることを知らない人が多いとか、知らせることもなかなか難しいとか、そんな話。
実際、行政側がどのようにして具体的な政策を実施しているのか、市民側はあまり気にしていないのではないだろうか。
暮らしにかかわる市の行政っていわば「空気」のようなもので、無いと暮らせないけど快適な限り意識しないみたいなところがある。
さて、ここでいい機会を得たと思い、以前から疑問に思っていることを伺ってみた。
草加市の人口は今がピークで、次第に減っていくという予測を出しているけれど(※総合政策課のfacebook「地域経営室」)、どうしてでしょうと。素人考えだと、草加市は便利で暮らしやすいから、もっと増えるのでは?
そうしたら、草加市には行政主導で開発可能な広大な土地が無いから、という答えが返ってきた。
市内の土地は細分化され、それぞれに持ち主が存在する。
マンションや一軒家数十棟くらいの小さな街を作ることなら出来るけれど、例えばレイクタウンのような、街の無いところにどかーんと新しい街を作るというような大きなプロジェクトを進めることが難しい。つまり、一気に人口を増やすような施策がとれないという。
大きなマンションが建つと増えるが、そこに入った若い夫婦は、家族が増えると出て行ってしまう傾向があるそうだ。入った分出ていく。
そうか、とようやく納得した。
今草加市では、松原団地の西側が再開発中、そして新田駅の東口・西口両方の再開発が稼働と、広大な土地が無いとはいっても、じわじわと開発が進んでいる。草加市に移り住んできた人たちが草加市を気に入って、終の棲家にしてくれるといいんだけれど。
10年後、20年後、そして100年後にはどうなっているだろうな。
※「4つのグループ」
1 環境、都市・交通、治水、交通安全
2 防災、防犯、上下水道、産業・観光、景観、雇用
3 福祉、市民自治、社会保障、交流、保険・医療
4 子育て・教育、人権、生涯学習、文化、スポーツ、消費者
※総合政策部総合政策課
総合政策課のお仕事は「市の基本的な構想や総合的な計画の策定、政策形成に関する情報収集・調査・研究、総合調整、重要施策の総合的な企画や調整、経営会議・行政会議、広域行政、大学連携事業など」
「総合政策部─総合政策課」の下に位置する「地域経営室」がfacebookを公開している。草加市の各種データを解説付きで見ることもできるので、たまに見てみるとおもしろい。
※行政主導で開発可能な広大な土地が無い
草加市は開発に条件がある「市街化区域」が90%もあるという。今年度未来まちづくり市民会議の説明資料の「前提となる条件」のページにある。
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コメント
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まとまった土地がないから開発出来ないと言うのはどうかなと思います。
その理由が正しいなら、どうして東京は開発できるのでしょう。
埼玉なら大宮駅東口も開発するようですよ。
投稿: デコ | 2015年3月 4日 (水) 18時17分
コメントありがとうございます。
ここで言っているのは「単純な開発」ではなく、大幅な人口増が期待できるような開発、です。東京都や大宮市と比べるのは(^_^;)………それらの都市はまとまった土地を手に入れるだけの財力があるんではないでしょうか。
投稿: 草生人編集長(^_^;) | 2015年3月 4日 (水) 22時22分