「9都県市合同防災訓練」は本格的だった
8月31日、草加市内では「防災訓練」が行われていた。
正式名称は、《第35回 9都県市合同防災訓練》。
9都県市とは、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県と、横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市、相模原市。
今回、埼玉県会場が草加市になった。
訓練はメイン会場である綾瀬川左岸広場と南側のグランド(「南側公共用地」)に加え、草加駅、草加市立病院、草加市文化会館、市民体育館、草加駅周辺で同時に行われた。
9時10分には、市内銭機に緊急速報メールが送信されたので、それで気が付いた方も多かったかもしれない。
私は、この防災訓練があることを去年春に出した「草生人 防災特集」の時にすでに聞いていた。
が、詳細を確認しないまま会場に向かい、ちょっとびっくりした。
規模が自治会の防災訓練と明かに違う。大規模かつ本格的だったからだ。
会場は住民による訓練エリア(左岸広場)と、プロによる訓練(機関系訓練)エリア(南側のグランド)に分かれ、「機関系訓練エリア」には、半分埋まった家、壊れた2階建ての家とつぶれた自家用車、電線の切れた電柱、横転したバスと追突した自家用車+トラック。東側には、トリアージポストと看板のかかった医療テントなどがしっかり準備されていた。

※埋まった家の傍らには電柱がある。
※横転したバスからの救助訓練。バスの向こうに見えるのがけが人が運び込まれる「トリアージポスト」。
会場にいた人が「すごいわね〜昨日から準備していたからね〜」と話していたのを小耳に挟んだ。
左岸広場の東側の道路(先日開通したばかりの1050号線)には、春日部、桶川、越谷など、埼玉県内のさまざまな地区から防災関係車両がずらりと並び、訓練を待つ。
確かに本格的だ!、と改めて思ったのが「ケガ人役」の存在。トリアージポストが設置された東側に、血糊をつけた若い人が大勢スタンバイしていたのだ。傷口が盛り上がっていたり、背中が真っ赤に染まっていたりとかなりリアル。
一人一人、ケガの状況が説明された札を首から提げていた。
ちょっと話を聞いたら、大学生のボランティアだそう。リーダーの男性に許可を取れば写真OKとのことだったのだが、結局そのあとその男性がずっと会場の中に入ってしまい(一般の人は訓練エリアに入れない)、その後もタイミングが合わず、許可を取れなかった。
終了後急いでトリアージのテントに行ったのだが、もう引き払った後だった。残念。
市民による訓練(住民系訓練)エリアである左岸広場でひときわ目立ったのが、震災再現エリア。被災した町並みが再現されていて、そこを通るという体験。

他に赤十字による応急手当やAEDの使い方などが訓練できるスペースや、「地震体験訓練」(地域の防災訓練でもよく登場する「起震車」)、「降雨体験訓練」、自衛隊の炊きだしなどがされていた。
炊きだしはカレーで、食べ損ねたorz。
ヘリコプターによる高所救出訓練が目の前で行われているのもかなりどきどきした。低空飛行する防災ヘリコプターが何台も上空を通り過ぎる。

この訓練の詳細については、草加市の紹介ページから当日受付で配布されたパンフレットがダウンロードできる、と書いて確認しようとしたら、防災訓練の告知自体のページが見あたらない。あれ?
検索したらPDFファイルは確認できた。
(リンク切れになる可能性があります)
それを見ると、多種多様なプロの訓練が行われていたことが確認できる。
左岸広場南側グランド(公共用地会場)周辺だけでも、情報収集伝達訓練、救助犬による探索訓練、飛行場外離着陸嬢解説訓練(ヘリの発着をしていた)、CSRM 狭隘スペース救助訓練、多重衝突事故対応訓練など27項目。
文化会館会場ではボランティアセンターの立ち上げなど、草加駅では帰宅困難者対策訓練、市立病院では災害拠点病院運営訓練、栄小では、前日から夜間避難所運営・宿泊訓練が行われていた。
と、こらは上記PDFファイルに全部リストされているので、目を通すといいと思う。災害時には何が発生して、どのように対応されるのかが想像できる。
今回、特に感心したのは、左岸広場とグランドの間に休憩エリアが設定されていて、そこに大きな大型ディスプレイが設置されて、訓練の様子をずっと放送していたことだ。
いわば「実況中継」。
女性アナウンサーが状況を説明し、防災の専門家が解説を担当。
放送の担当はパンフレットによればケーブルテレビのジェイコム北関東株式会社(J:COM)らしい。草加エリアではないが、この防災訓練の様子を放映するという告知を見つけた。
これを改めて見る機会は無いんだろうか。会場内にカメラマンが複数入り、カメラを切り替え、シーンによって防災に関するミニ知識も披露された、ものすごくためになる放送だったと思うのだが。
いつか確認してみよう。
さて、12時近くなり、一通り訓練が終わって閉会式。
ずらりと並んだ参加団体と、上田知事の挨拶があって、埼玉県の訓練であったことを改めて認識。

この防災訓練にかかわるニュースは、ネットで確認できたのはMSN産経ニュース地方版と、埼玉新聞。
予習が足りなくて、草生人編集部ツイッターでも、事務的なお知らせになってしまっていたが、もっと宣伝すれば良かったと後悔した。
緊急時、何が起こるかちょっとでも知っていれば、何も知らないよりはずっと落ち着いて行動ができるからね。
今年の防災講演会についてはこちらをどうぞ。
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